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  • ジュニパー不動産鑑定

不動産M&A(セルサイド)

更新日:5月30日

最近、当事務所にはM&Aに係る照会や不動産M&Aに関する鑑定評価のお問い合わせが寄せられております。そこで、今回は不動産M&Aについてセルサイド(売主サイド)から考えてみたいと思います。




1.不動産M&Aの背景

 不動産M&Aとは、不動産の取得を目的とする通常の取引と異なり、不動産を所有する法人を会社ごと買収(M&A)するスキームです。不動産M&Aは古くからみられましたが、昨今、都心やその周辺地域で地価が上昇し、物件が枯渇している状況下において、あるいは経営者の高齢と後継者不在のため廃業を検討せざるを得ない状況等において、それらの問題を解決し得るスキームとして注目を集めております。

 特に、後継者不在のため廃業を検討せざるを得ない場合、廃業を選択するより、不動産M&Aを選択する方が税金面で有利に働く可能性があるため、検討する価値があります。 以下で説明します。


2.売主の節税効果について

 不動産M&Aは売主・買主双方にメリットがあるといえますが、特に税率の違いにより、売主の節税効果が大きいといえます。例えば、含み益1,000百万円の不動産(簿価=0と仮定)を単純に現物不動産として売却する場合、法人には売却益に係る法人税等(約33%)が課され、さらに法人税等控除後の売却益(670百万円)から個人株主に配当がされると、配当所得として総合課税の対象になります。その結果、最大で48.6%(課税所得金額40百万円超の場合)の税金(326百万円)が発生し、株主の最終的な手取額は約344百万円となります。一方、不動産M&A(株式売却)では、仮に法人税相当額(330百万円)をディスカウントして株式を売却したとしても、譲渡所得税約20%が課税されるのみで、最終的な株主の手取額は、536百万円となります。このように、不動産M&Aは現物不動産の売却と比較し、大きな節税効果が得られます。


a. 現物不動産の売却を選択する場合


b. 不動産M&A(株式譲渡)を選択する場合

3.不動産M&Aの株式価値の評価について

 中小企業のM&Aでは、対象会社の時価純資産額に営業権(2年分の営業利益等)を加算するか、または営業利益・EBITDA倍率等も併用して株式譲渡価格とすることが多くみられます。他方で、不動産M&Aは、当然ながら会社の保有する不動産の価値に重きが置かれ評価されます。

 不動産の価格自体は、対象不動産の特性に応じ、開発素地であれば開発法、取引事例比較法、事業用不動産であれば収益還法法、原価法等が適用されますが、対象不動産の価格が一旦決まれば、時価純資産法に基づき対象会社の株式価値が決定されます。例えば、評価対象が土地(例:マンション適地)であれば、対象地の立地条件(最寄駅からの距離等)、周辺環境、各種法令規制(容積率等)等を勘案し、その土地のポテンシャルを最大限に発揮するような有効使用(例:分譲マンション)に基づき評価(開発法重視)されます。また、デューデリジェンス(DD)では、一般的な未払残業代等の簿外債務のほか、地下埋設物や土壌汚染等不動産の価格に大きな影響を与えるリスクの有無やその取扱い等不動産固有の簿外債務についても把握する必要があります。このように不動産M&Aにおいては、通常のM&Aの知見に加え、不動産の価値やリスクを見極めるための不動産全般に係る知見・業務経験が必須といえます。

 当事務所では、不動産M&Aに関し、対象不動産の価格査定、対象会社の株式価値の算定からFA・仲介をワンストップで行います。まずは不動産M&Aを検討するにあたり株式価値がいくらになるか知りたい等、ご相談したいことがあればお気軽にお問い合わせください。





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